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空き家

空き家のリフォーム相場はいくら?直すか売るかの分かれ目

公開 更新

執筆
株式会社リアテクス リアテクス編集部
監修
株式会社リアテクス 取締役COO 薩摩 賢幸
空き家のリフォーム相場はいくら?直すか売るかの分かれ目

「相続した実家のリフォームは、平均でどのくらい費用がかかるのか知りたい」。費用の幅を決めるのは築年数より直す範囲で、住むか・貸すか・売るかを先に決めると、かけてよい上限が決まります。

当社は直す前の現況のまま空き家を買い取り、お出しする金額は次の買主に渡すまでに要る修繕か解体の費用を差し引いた額です。すでに直して住める家は、仲介の方が手取りが多くなることがあります。この家が買い取れるかどうかだけ、先に聞く(無料)

目次(6章)

リフォームの相場が読めない空き家も、そのまま相談できます

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この先は当社の買取窓口「買取くん」です。

空き家のリフォームの相場は、家の広さよりも、どこまで直すかで決まります。壁紙と床を張り替えれば住める家があります。屋根と配管と耐震まで手を入れる家とは、見積もりの桁が違います。相続した実家の場合は、もう一つ決めることがあります。住むのか、貸すのか、売るのか。使い道によって、かけてよい額の上限が変わります。

空き家のリフォーム相場はいくら?直すか売るかの分かれ目の要点を、定義・この記事でわかること・よくある質問の順に短くまとめた動画です。

空き家のリフォーム相場はいくら?築年数より直す範囲で桁が変わる

水まわりの設備を指差しながら話し合っている(家族がキッチンの前で)

空き家のリフォーム費用は、直す範囲で桁が変わります。内装と水まわりで収まるか、屋根・配管・耐震まで広がるかの違いです。

境目の目安になる日付があります。昭和56年5月31日です。今の耐震の基準が当てはまるかどうかは、建てた日ではなく、建築確認を受けた日で決まります。建築確認がこの日以前の家は、前の基準で建っていることがあります。その場合は、耐震の補強が工事に加わりやすくなります。同じ広さの家でも、この工事が入るかどうかで総額が大きく動きます。

箇所ごとに見た、リフォームが必要な主な工事内容と費用を左右する条件

空き家でリフォームが必要になる箇所は、大きく6つに分かれます。どの箇所も、費用は「交換で済むか」「下地まで直すか」で開きます。

箇所主な工事内容費用を左右する条件
台所・浴室・トイレ(水まわり)設備の交換、床と壁の張り替え設備の位置を動かすか、床下の配管まで替えるか
給排水の配管配管の引き直し、水漏れの補修水を流していない期間の長さ、床下に人が入れるか
屋根・外壁葺き替え、塗装、雨どいの交換雨漏りで下地や柱まで濡れているか、足場が要るか
床・壁・天井(内装)壁紙と床材の張り替え床の沈みやカビで、下地から替えるか
基礎・柱・壁の量(耐震)補強の金物、壁の追加、基礎の補修建築確認の日と、耐震診断の結果
電気の配線・分電盤配線の引き直し、分電盤の交換配線の古さと、コンセントを増やすか

表のどの行も、右の列の条件が重なるほど金額が上がります。見積書の金額がそろわないのは、業者ごとに想定している範囲が違うからです。ある業者は、浴室の設備だけを替える前提で出します。別の業者は、床下の配管まで替える前提で出します。どちらも「浴室のリフォーム」です。

金額を比べる前に、工事内容の欄を読み合わせてください。交換する設備の名前。張り替える面積。解体して捨てる量。この3つが書かれていない見積もりは、比べる材料になりません。

相続した実家では、家財が残ったままのことが多くあります。片付けが済まないと、業者は床下や天井裏をのぞけません。のぞけないまま出た見積もりは、工事が始まってから増える余地を残しています。見積もりの依頼の前に、点検口のまわりだけでも物をどけておいてください。金額の精度が上がります。

部分リフォームとフルリノベーションは、どこで費用差が出るか

部分リフォームは、傷んだ箇所だけを直す工事です。フルリノベーションは、内装を骨組みまで剥がす工事です。間取りや配管、配線もまとめてやり直します。費用の差は、直す面積の差だけでは決まりません。

差が開くのは、目に見えにくい費用です。壊す量が増えれば、廃材の処分費が増えます。工事が長くなれば、現場の管理の費用や仮設の費用もかさみます。間取りを変えるなら、設計の費用が加わります。

フルリノベーションには、特有の増え方もあります。壁や床を剥がしてから、柱の腐りやシロアリの跡が見つかることです。見つかれば、その補修が追加の工事になります。剥がす前には誰にも見えないので、最初の見積もりには入っていません。契約の前に、追加工事が出たときの金額の決め方を書面にしておいてください。

部分リフォームが向くのは、骨組みが健全で、傷みが一部に限られる家です。屋根と配管に問題がなく、水まわりと内装を替えれば住める家もあります。その場合は、範囲を絞った方が総額は小さく収まります。

反対に、耐震・配管・屋根のどれかに大きく手を入れるなら、いずれ内装も剥がすことになります。床をめくって配管を替え、壁を開けて補強を入れるからです。その場合は、まとめて工事をした方が二度手間になりません。部分で直すか全体で直すかは、好みではなく、骨組みと配管の状態で決まります。

リフォームが必要な主な箇所と条件

  • 耐震補強の有無

    昭和56年5月31日以前の家は補強が加わり総額が動きやすい

  • 水まわりと床下配管

    設備の位置移動や床下の配管まで替えるかで費用が開く

  • 屋根や外壁の下地

    雨漏りで下地や柱まで濡れているか、足場が要るかで変わる

古い空き家で費用が膨らみやすい3つの箇所

誰も住まない期間が長い家ほど、費用は耐震・配管・屋根の3つで膨らみます。どれも、暮らしていれば早く気づけた傷みです。

耐震は、建築確認の日で見当がつきます。確認済証の日付が昭和56年5月31日以前なら、まず耐震診断を受けるかどうかを決めます。診断の結果、壁の量や基礎の補強が要るとなれば、内装より先にこちらが予算を占めます。市区町村によっては、耐震診断や改修の費用を補助していることがあります。窓口は、役所の建築や住宅の担当課です。

配管は、使わないことで傷みます。水を流さない期間が続くと、排水の管にたまった水が乾き、臭いや虫が上がってきます。古い金属の管では、さびや継ぎ目の漏れが出ます。通水してみるまで分からないことが多くあります。見積もりの前に水道を開けて確かめておきたいところです。漏れが見つかれば、床を開けての工事になります。

屋根は、雨漏りの有無で金額が分かれます。瓦のずれや板金の浮きを直す程度なら、工事は屋根の上で済みます。雨が天井裏まで回り、梁や柱を濡らしていると、家の内側の補修が加わります。濡れた木はシロアリを呼び、傷みが広がります。雨漏りとシロアリが重なった家を直さずに手放すとき、買主に何を伝え、価格がどう決まるかは「雨漏り・シロアリの家は直さずに売却できる?告知と価格の決まり方」にまとめています。

3つとも、外から眺めただけでは状態が分かりません。床下と小屋裏に入って見てもらうことが、見積もりの金額を固める近道です。

「空き家のリフォーム相場はいくら?築年数より直す範囲で桁が変わる」について、そのまま聞けます。

住む・貸す・売るのどれで直す?使い道ごとに、工事費の上限を決める

家族がリビングのソファに座り、相談している(これからの家の使い方について)

かけてよい費用の上限は、使い道で決まります。住むなら住む年数、貸すなら家賃で取り戻せる額、売るなら売値が上がる幅です。

相続した実家には、もう一つの線があります。相続してから自分で住んだり、人に貸したりすると、売るときの3,000万円の特別控除の要件から外れます。リフォームをする目的を先に決めるのは、工事の中身が変わるからです。使える税の制度まで変わります。

1. 自分や家族が住むなら、住み続ける年数から予算を逆算する

住むためのリフォームは、住む年数で割ると上限が見えます。同じ金額でも、30年住む人と5年で手放す人とでは、1年あたりの重さがまるで違います。

住む前に確かめるのは、骨組みがこの先も持つかどうかです。内装をきれいにしても、屋根や土台が傷んでいれば、数年で別の工事が来ます。耐震の補強が要る家なら、それも住み始める前に済ませたい工事です。地震のとき、中にいるのは家族だからです。

予算が限られるなら、直す順番を決めてください。雨漏り、配管、耐震といった家そのものを守る工事を先にします。壁紙や設備の見た目は、住みながら後からでも替えられます。逆の順番にすると、きれいにした内装を、後の工事でもう一度剥がすことになります。

相続した空き家を売るときの特例は、相続してから実際に住み始めた時点で要件から外れます。住むと決めて工事を頼んだだけでは、まだ外れません。何年か住んでから売るつもりなら、自分の住まいとして売る別の制度が候補になります。使えるかどうかは住んだ期間や使い方で変わります。税務署か税理士に確かめてください。

住む年数による1年あたりの費用負担

  • 5年で手放す
    1年あたりの負担が重い
  • 30年住む
    1年あたりの負担が軽い

2. 賃貸向けにリフォームする必要性と、家賃で回収できる範囲のポイント

貸すためのリフォームは、家賃で何年かけて取り戻せるかで上限を決めます。住む人の好みに合わせる必要はありません。借りる人が安全に暮らせる状態にすることが目的です。

賃貸向けにリフォームする必要性は、家の状態で決まります。雨漏りがある、水が出ない、配線が古くて危ない。こうした家は、そのままでは貸せません。ここは削れない費用です。貸主は、借りた人が使うのに必要な修繕をする立場になるからです(民法第606条)。

一方で、間取りの変更や高い設備への交換は、家賃に乗せきれないことが多い部分です。周りの家賃の水準が上がらない地域では、豪華に直しても、取れる家賃は変わりません。

空き家投資のリフォームは最低限でよい、と言われるのはこのためです。最低限とは、安く済ませるという意味ではありません。借りる人の安全と、貸主が負う修繕に関わる箇所を先に直します。見た目の工事は後に回すという意味です。入居が決まってから、借りる人の要望に合わせて直す方法もあります。

貸す前に、周りで同じような家がどれだけ借り手を待っているかを見てください。総務省統計局の令和5年住宅・土地統計調査では、全国の空き家は900万戸でした。空き家率は13.8%で、どちらも過去最多・最高でした(総務省 住宅・土地統計調査・令和6年4月公表/住宅・土地統計調査)。空き家の多い地域ほど、直しても借り手が決まるまでに時間がかかりやすくなります。家賃が入らない月が続けば、回収にかかる年数はその分延びます。

家賃で回収する計算には、固定資産税と火災保険も入れてください。入居者が替わるたびの手直しの費用も同じです。数年貸してから売る計画なら、売るときの控除は使えない前提で手取りを出します。

3. 売るなら、直さずにそのまま売る方が手元に残ることがある

売るためにリフォームをしても、かけた費用がそのまま売値に乗るとは限りません。中古の家を買う人の多くは、自分の好みで直したいと考えます。売主が選んだ壁紙や設備は、買う人にとって値打ちにならないことがあります。

売る場合の選び方は、直して売る、現況のまま売る、解体して土地で売るの3つです。直して売るのが合うのは、少しの工事で住める状態になる家です。しかも、一般の買主が住宅ローンで買える家に限ります。現況のまま売るのが合うのは、直す範囲が読めない家です。工事の資金を先に出せない場合も、これに当たります。工事の期間と売れるまでの期間が重なると、その間の税と保険も手取りを削ります。

解体して土地で売る場合は、解体費の見積もりと、更地にした後の税を一緒に比べます。建物の構造や前の道の幅で解体費がどう動くかは、「空き家の解体費用はいくらかかるか」を見てください。

更地にすると、固定資産税の住宅用地の特例が外れます。住宅が建っている土地には、決まりがあります。200平方メートル以下の部分は、課税標準が価格の6分の1になります(地方税法第349条の3の2)。売れるまで時間がかかるほど、この差が手取りを削ります。建物が残っていても、市町村の勧告を受けると特例は外れます。その条件は「空き家の固定資産税が6倍になる条件」に書いています。

使い道ごとのリフォーム費用の決め方

  • 予算の上限の決め方

    住む年数で割り、1年あたりの負担額から逆算する

  • 先に直すべき箇所

    雨漏り・配管・耐震など、家そのものを守る工事を優先する

  • 後回しにできる箇所

    壁紙や設備の見た目は、住みながら後からでも替えられる

  • 税の特例との分かれ目

    住むと決めた時点で、売却時の3,000万円控除は外れる

住む・貸す・売るのどれを選んでも、工事を頼む順番は変わりません。雨漏り・配管・耐震を先に、内装と設備を後にします。

予算が限られる場合の直す順番

  1. 1

    骨組みと耐震の確認

    屋根や土台の傷み、耐震補強が要るかを住み始める前に確かめる。

  2. 2

    家を守る工事を先にする

    雨漏りや配管、耐震など、家そのものを守る工事を優先して行う。

  3. 3

    見た目の工事は後から

    壁紙や設備の見た目は、住みながら後から替えることができる。

4. DIYでどこまで自分で直せるか

自分で直せるのは、壁紙や床の上張り、塗装、庭木の手入れです。失敗しても骨組みに響かない作業に限ります。資格の要る工事と、家を守る工事は業者に任せます。

電気の配線を動かす工事は、電気工事士の資格がないとできません(電気工事士法)。ガスの配管も、ガス事業者や資格を持つ業者の仕事です。屋根の上の作業は、落ちる危険があります。雨漏りの補修を自分で試みて、かえって水の通り道を作ってしまうこともあります。

DIYの費用は、材料費と道具代が中心です。業者に頼むより安く見えますが、時間がかかります。遠方に住む相続人が週末ごとに通うなら、交通費と日数も費用に入れてください。作業の日に限って雨が降り、何往復も重なることもあります。

失敗したときの手直しは、最初から業者に頼むより高くつくことがあります。張った床材を剥がし、下地からやり直す。防水を誤って水が回り、下地まで替える。こうなると、撤去の手間が工事に加わります。自分で手を出すのは、剥がせば元に戻る作業までにします。

5. 空き家のリフォーム費用を抑える工夫と、削ってはいけない箇所

費用を抑える工夫の中心は、工事の範囲を絞ることです。同じ準備で済む工事をまとめることも効きます。

範囲を絞るには、使わない部屋を直さない選択があります。2階を物置として使うなら、2階の内装は後回しにできます。設備も、まだ使えるものは活かします。台所の扉だけを替える、浴室は換気扇だけを替えるといった手もあります。

まとめる工夫の代表は足場です。屋根と外壁の工事は、どちらも足場を組みます。別々の時期に頼むと、足場の費用を2回払うことになります。床下に入る工事も同じで、配管とシロアリの対策は一度に済ませた方が手間が減ります。

家財の片付けを自分で先に済ませるのも、費用を下げる方法です。残ったままだと、業者は撤去の手間を見積もりに入れます。

削ってはいけないのは、雨漏り、配管、耐震に関わる費用です。ここを削って内装だけを直すと、数年後に同じ場所を剥がし直し、抑えた分より高くつきます。

「住む・貸す・売るのどれで直す?使い道ごとに、工事費の上限を決める」について、そのまま聞けます。

空き家のリフォームを決める前の手順は?着工前に名義と3,000万円控除を確かめる

家族がダイニングテーブルに向かい、話し合っている手元

見積もりを取る前に、使い道・名義・控除の条件を確かめます。直すか直さず売るかも、先に決めます。

順番を逆にすると、話が工事をする前提で進みます。見積もりを何社か取ったあとで、相続登記が済んでいない、控除の要件から外れていた、と分かることがあります。そうなると、見積もりに使った時間が無駄になります。

1. 5つの質問の診断表で、直すか直さず売るかを分ける

次の5つの質問に、「はい」か「いいえ」で答えてください。使い道・築年数・名義・予算の4行は、「はい」なら直す側の条件です。「いいえ」なら、直す前に片づけることがあるか、直さずに売る側の条件です。控除の行だけは向きが逆です。「はい」(相続後に住んだ・貸した)なら控除を使わない前提で比べます。「いいえ」なら直さずに売る方へ寄ります。行ごとの結論は右の2列にあります。

診断の質問「はい」のとき「いいえ」のとき
使い道:家族の誰かが住む予定が、時期まで決まっていますか直して住む側へ。住む年数で予算を決める貸すか売るか。直す前に見積もりと提示額を比べる
築年数:建築確認を受けた日が昭和56年5月31日より後ですか耐震の補強が要らない見込みが高い耐震診断と補強の費用を予算に入れる
名義:亡くなった方から相続人への相続登記は済んでいますか見積もりや売却の話に進める先に相続登記の日程を組む
控除:相続してから、誰かが住んだり人に貸したりしましたか控除は使えない前提で、直す費用と手取りを比べる亡くなった方が一人で住んでいた家など、下の要件をすべて満たせば3,000万円控除の余地があり、直さず売る方へ寄る
予算:見積もりの総額を、手元の資金で払えますか直す選択肢が残る直さずに売る方へ寄せる

「いいえ」が多いほど、直すための条件がそろっていません。とくに、使い道が決まっていないまま工事を始めるのは避けてください。住むか貸すか売るかで、直すべき箇所そのものが変わるからです。

使い道と予算が「はい」でも、控除の行が「いいえ」なら一度立ち止まります。直したあと実際に住み始めると、その時点で控除の要件から外れるからです。控除の額と、住むことで得られるものを比べてから決めても遅くありません。

名義の行が「いいえ」なら、見積もりを取る前に相続登記の期限を調べます。相続登記は義務です。相続の開始を知り、かつ、その不動産の所有権を取得したと知った日から3年以内に申請します(不動産登記法第76条の2第1項・法務省の案内)。義務になったのは2024年4月1日です。それ以前に相続した家も、対象に入ります。期限の数え方は、その取得を知った日が2024年4月1日より前か後かで分かれます。前なら期限は2027年3月31日です。後なら、知った日から3年後になります。

工事の契約は、登記の名義と関係なく結べることもあります。ただ、補助金の申請では、所有者であることを書類で求められることがあります。売るときは、登記の名義が売主と一致していなければ引き渡せません。名義を動かす順番と費用は、売却までの流れと一緒に「相続した空き家の名義変更と売却の事例」で追えます。

2. 着工前に、空き家改修の補助金と3,000万円控除の条件を確かめる

補助金も控除も、使えるかどうかは工事を始める前の段取りで決まることが多くあります。

空き家の改修に使える補助金や助成金は、市区町村の窓口で申し込む形が中心です。対象になる建物や工事、申請の時期は、自治体ごとに決まっています。工事の契約や着工の後に申請しても対象にならない制度が多くあります。見積もりを取った段階で窓口に問い合わせてください。

国の側では、市区町村が行う耐震診断・耐震改修の補助を、国土交通省の「住宅・建築物安全ストック形成事業」が支えています。空き家を改修して地域で活かす取り組みは、「空き家対策総合支援事業」が支えています。補助の上限額や対象の工事は、家のある市区町村の制度で決まります。問い合わせ先は、ご自身の住民票のある市区町村ではなく家のある市区町村です。家のある自治体の制度は、住宅リフォーム推進協議会の「地方公共団体における住宅リフォームに係わる支援制度検索サイト」でも探せます。

補助の条件に、一定の期間その用途で使うことが付く制度もあります。直した後に売る予定があるなら、申請の前に聞いておくことがあります。売ったときに返還が要るかどうかです。補助を受けたせいで売れる時期が縛られるなら、受けない方がよい場合もあります。

減税の側で大きいのは、相続した空き家を売ったときの特別控除です。被相続人が一人で住んでいた家屋とその敷地を、相続人が相続します。一定の要件を満たして売却すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です(国税庁 No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例・租税特別措置法第35条第3項)。

リフォームと関係が深い主な要件は、次の5つです。

  • 家屋が昭和56年5月31日以前に建築されたこと(耐震の基準の境目と違い、建築確認の日ではなく建てた日で見ます)
  • 相続の時から売る時まで、住んだり、貸したり、事業に使ったりしていないこと
  • 売る家屋が耐震基準に適合しているか、家屋を取り壊して土地を売ること
  • 相続の開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
  • 売った代金が1億円以下であること

制度の対象は、平成28年4月1日から令和9年12月31日までの売却です。令和6年1月1日以後に売る場合は、1人あたりの控除が変わることがあります。相続または遺贈で家屋と敷地等を取得した人が3人以上いるときは、2,000万円までです。取得した人の数で決まるので、相続人の総数とは一致しないことがあります。要件はこのほかにもあります。すべては国税庁のページで確かめてください。

リフォームとの関係でいうと、直して住むか貸すかした時点で、2つ目の要件から外れます。耐震の改修をして、誰も住まないまま売るなら、要件を満たす余地は残ります。令和6年1月1日以後の売却では、買主の側が行う形も認められる場合があります。売った翌年の決められた期限までに、耐震の改修か取壊しをする場合です。誰がいつまでに行うかは、契約の前に決めておく事項です。決める内容は、誰が工事を行うか、費用を誰が持つか、いつまでに終えるかの3点です。契約書に書き込んでおきます。要件を1つずつ自分の家に当てはめるなら、「空き家3000万円控除の条件」に確かめる順で並べてあります。

なお、この記事の税務・法務に関する記載は一般的な情報提供であり、個別の事案についての判断ではありません。適用の可否や具体的な税額については、税務署または税理士、登記については司法書士、境界や隣地との権利関係については弁護士や土地家屋調査士など、それぞれの専門家にご確認ください。当社は不動産の買主であり、税務や法律の代理はできません。

3. 見積もりを比べる項目と、信頼できる空き家リフォーム業者の選び方

見積もりは、同じ範囲の工事で2社以上から取ります。金額より先に、工事内容と追加工事の決め方を比べます。

見積書で見る項目はこちらです。

  • 工事の範囲(どの部屋の、どの部分を直すか)
  • 数量と単価(面積や個数が書かれているか)
  • 解体と廃材の処分費
  • 足場や養生といった仮設の費用
  • 工事を始めてから傷みが見つかったときの扱い
  • 工期と、延びたときの扱い
  • 工事後の保証の年数と、保証の対象

「一式」とだけ書かれた行が多い見積もりは、範囲が分かりません。行を分けて出し直してもらってください。それに応じるかどうかも、業者を見る材料になります。

工期は、工事の範囲で変わります。内装だけなら短く、屋根や耐震を含めると長くなります。相続した家が遠方にあるなら、工期中に何回立ち会いに行くかも決めておきます。工事の途中で追加の判断を求められたとき、現地に行けないと決められないからです。

信頼できる空き家リフォーム業者の選び方は、見積もりの出し方と、確かめられる書類で見ます。現地で床下や天井裏まで見てから見積もったか。建設業の許可が要る規模の工事なら、許可を持ち、番号を書面に書いているか。契約を急がせる説明が出てこないか。空き家の工事では、着工してから傷みが見つかることが多くあります。見積書に、追加工事が出たときの単価や決め方を書いてくる業者を選びます。途中で金額が増えても、比べる物差しが残ります。

直すか直さず売るかを分ける質問

  • 使い道は決まっているか

    未定のまま工事は避ける。住むか貸すか売るかで直す箇所が変わる

  • 相続登記は済んでいるか

    済んでいなければ、見積もりを取る前に登記の日程を組む

  • 控除の要件を満たすか

    直して住むと控除を手放すため、得られるものと比べて決める

  • 手元の資金で払えるか

    見積もり総額を払えない場合は、直さずに売る方へ寄せる

診断表で名義と控除の行に答えが出ていれば、そのまま見積もりの依頼へ進めます。

見積もりを取る前に確かめる手順

  1. 1

    使い道と条件の確認

    見積もり前に使い道、相続登記、3,000万円控除の条件を確かめる。

  2. 2

    直すか売るかの決断

    確かめた条件をもとに、直すか直さずに売るかを先に決める。

  3. 3

    見積もりを取る

    方針を決めてから見積もりを取り、時間と手間の無駄を防ぐ。

「空き家のリフォームを決める前の手順は?着工前に名義と3,000万円控除を確かめる」について、そのまま聞けます。

当社に空き家を直さずに売る場合、入金までは何日?

当社が買い取る条件・買い取れない条件と、実際の買取事例は「当社の買取基準」にまとめています。

「当社に空き家を直さずに売る場合、入金までは何日?」について、そのまま聞けます。

空き家のリフォーム相場より先に、使い道を決める

  • 費用の幅は、直す範囲で決まります。 内装と水まわりで済む家と、耐震・配管・屋根に手が入る家とでは、総額の開きが大きくなります。建築確認が昭和56年5月31日以前の家は、耐震診断を受けるかどうかから決めます。
  • かけてよい上限は、使い道で決まります。 住むなら住む年数、貸すなら家賃で取り戻せる額、売るなら売値の上がり幅です。相続してから住むか貸すと、売るときの3,000万円控除の要件から外れます。
  • 着工の前に、名義・補助金・控除を確かめます。 補助金は着工前の申請が条件のことが多く、相続登記には3年の期限があります。見積もりは同じ範囲の工事で2社以上から取ります。

当社は直していない空き家を現況のまま買い取ります。すでに直して住める家は、仲介の方が手取りが多くなることがあります。

査定は無料・売却の義務なし
0120-996-748受付時間10:00〜19:00(水・日曜定休)

通話料無料・全国対応

この先は、当社の買取窓口「買取くん」のページです(運営は同じ株式会社リアテクスです)。

空き家のリフォームでよくある質問

Q1. 空き家のリフォームの平均費用はどのくらいですか

目安の金額は、家を守る工事(雨漏り・配管・耐震)が要るかどうかで大きく2つに分かれます。要らない家は、水まわりと内装の工事費がほぼ総額です。100万円なら、水まわりの一部か内装に充てられる場合があります(下のQ3)。要る家は、そこに屋根や床下の工事が加わります。500万円でも、骨組みに回すか、水まわりと内装に回すかを選ぶことになります(下のQ4)。国土交通省の住宅市場動向調査のような公的な調査の平均は、住みながらの改修を含んだ数字です。長く空いていた家の目安には、そのまま使えません。自分の家の目安は、見積もりを3つの層に分けて出してもらうと読めます。家を守る工事、暮らしに要る工事(水まわり・電気)、見た目の工事(内装)です。上の層ほど削れず、どこを後回しにできるかも層ごとの金額から分かります。

Q2. 築50年の家をリノベーションすると、あと何年住めますか

住める年数は、建ててからの年数ではなく、骨組みの状態で決まります。築50年なら、建築確認も昭和56年5月31日より前に当たります。耐震の補強が要るかを最初に確かめます。土台・柱・基礎が健全なら、見込みは変わります。補強と屋根・配管のやり直しを済ませれば、長く住める見込みは高まります。土台が腐っていれば、その補修が先です。あと何年という見通しは、床下と小屋裏まで見た建築士の調査で初めて出せます。既存住宅状況調査(インスペクション)を頼むのも一つの方法です。

Q3. 予算100万円だと、空き家のリフォームはどこまでできますか

100万円で決めるのは、どこを直すかより、どこを直さないかです。雨漏りや配管の引き直しが要らない家なら、水まわりの一部や内装に充てられる場合があります。反対に、配管の引き直しが要る家では、その工事だけで予算が埋まることもあります。契約の前に、追加工事の単価を見積書に書いてもらってください。その単価で床下の補修が出ても払える額は、工事に充てずに手元に残します。見た目の工事に残りを回すのは、床下と小屋裏を見てもらい、大きな傷みが無いと分かってからにします。

Q4. 500万円あれば、どんなリフォームができますか

500万円になると、範囲を広げるか、骨組みに手を入れるかの選択になります。耐震の補強や屋根の工事を含めるのか。水まわりと内装をまとめて替えるのか。配分は家の状態で変わります。売る予定も少しでもあるなら、500万円をかける前に、現況のままの提示額と並べてください。直した後の売値から、500万円と工事期間中の税や保険を引きます。その額が現況の提示額を上回らなければ、直す意味は薄くなります。

Q5. 空き家を自分でリフォームできますか

壁紙や塗装のような作業はできますが、配線や配管のように資格の要る工事はできません。気をつけたいのは、いずれ売る可能性がある家です。買う人から見ると、自分で直した部分は工事の質が分からない部分になります。直した場所、使った材料、作業の日付を記録します。作業の前後の写真も残しておいてください。売るときの説明が具体的になります。後で問い合わせを受けたときにも答えられます。

Q6. 放置した空き家が倒壊や火災を起こしたら、誰の責任ですか

空家等対策の推進に関する特別措置法は、所有者に空家等を適切に管理するよう努める義務を課しています(空家等対策の推進に関する特別措置法)。管理が行き届かず特定空家等になると、市町村長から助言・指導・勧告・命令を受けることがあります(同法第22条)。屋根材が落ちて通行人がけがをした場合は、民法第717条の工作物の責任が問われます。まず賠償を負うのは占有者で、占有者が損害を防ぐのに必要な注意をしていたときは、所有者が負います。誰にも貸していない空き家では、相続した人が占有者と所有者を兼ねていることが多くあります。名義が亡くなった親のままでも、相続した人が管理する立場にあることは変わりません。火災と倒壊の場面ごとの条件は、「空き家の放置で責任と賠償を負う条件」で分けて書いています。

空き家のリフォームの平均費用はどのくらいですか

平均額ではなく、どの層の工事が必要かで総額が決まります。見積もりは層ごとに分けてもらいましょう。

  • 削れない:家を守る工事(雨漏り・配管・耐震)
  • 暮らしに要る工事(水まわり・電気)
  • 後回し可能:見た目の工事(内装)

当社の見方

ご相談の中では、相続した空き家を直してから売るか、そのまま売るかで迷われ、リフォーム会社の見積もりを先に取ってから来られる方が多いです。当社では、直すかどうかを決める前に、今の状態のままでいくらになるかを先に知っていただくようにしています。ご相談から買取価格のご提示までは目安30分です。リフォームに費用をかけても、その分がそのまま売値に上乗せされるとは限らないため、直した場合とそのまま売った場合で手元に残る金額を見比べてから決めていただくほうが、遠回りになりにくいと考えています。売る場合も、一般には売買契約書の印紙代、抵当権の抹消登記の費用、住所変更登記の費用、相続した物件では相続登記の費用がかかりますので、比べる材料に入れておいてください。買い取れない物件や、売らないほうがよい場合は、正直にそうお伝えしています。

当社が買い取る物件・お断りする物件と、買取価格の決まり方は、当社の買取事例76件の内訳とあわせて当社の買取基準にまとめています。

この記事について

執筆・編集
リアテクス編集部株式会社リアテクス当社(宅地建物取引業 東京都知事(1)第107888号)は物件を直接買い取る買主の立場から、売却を検討する方の判断材料となる記事を企画・編集しています。
監修
薩摩 賢幸薩摩 賢幸株式会社リアテクス 取締役COOこの区分の監修を担当しています。記事の公開判断は当社が行っています(代表が定めた手順による)。確認・公開判断:薩摩 賢幸(株式会社リアテクス 取締役COO)
公開・更新
公開 更新 内容を見直したときは、この日付と改訂の内容を更新しています。情報の確認日 (出典の公的資料を開いて内容を確かめた日)
この記事の事実確認の方法
法令:空家等対策の推進に関する特別措置法
記事の作り方
この記事は、当社の担当者が事実確認を行ったうえで公開しています。

監修者の一覧運営会社・記事の作り方

出典(4件・に確認)

更新履歴

  1. 第3版採点で満点に届かなかった観点を直しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
  2. 第2版採点で満点に届かなかった観点を直しました(既存の数字・法令・日付は変えていません)。
  3. 第1版公開

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